フリュギアの井戸

実生活では口にできないあれこれを、ひっそり井戸の底に落とします。

空手の形

空手の形。

美しすぎた…。

 

昨日、空手の形を初めて知って、これは私の直球ど真ん中だと、慌てて以降の試合を録画予約した。

そして今日まで一人、テレビに向かって「ヒー」と何度もつぶやきながら、鑑賞。

 

完全に、魅了された。

美しさに耽溺して、今、ほとんど頭がおかしくなっている。

 

ぐっと腰を落としたときの膝の角度。

安定した上半身の下で、クッと畳からあげられた踵。

ほとんどフェティシズムの域で、美しさにクラクラする。

 

動きの速さ、切れもすばらしいけれど、むしろ静止時の充実感。

動いていない時に、気がぎゅううううっと、充実している。

 

静と動の境目がなく、まったく無理がない。

凝縮されながらも自在な、時の流れ。

 

台詞も、BGMも、柝のツケもなく、これだけ魅せるってタダゴトではない。

身体一つ、形そのもので、これだけの世界、美を作り出せるのか。

 

ああそういえば、ライティング効果もなかった。

でも、選手たちの身体から、すさまじいオーラがほとばしっていた。

 

昨日は、「生で見てみたい」と思ったが、今日は「これを直接見たら、正気を保てないかも」と思った。

舞台のあと、役者さんの力にあてられて地に足が付かない、地上に戻れない感じになることがあるが、それをはるかに超える気がする。

気合の声で、失神するんじゃなかろうか。

 

形の名前の、琉球の響きも、大好きになった。

沖縄、行ってみたいなあ。

 

そして今日、知った。

パリオリンピックでは、空手種目が外されたとのこと。

 

出会ったとたんに、再会はないと告げられてしまった。

初恋の人に、さよならと言われた気分だ。

 

でもなにしろ、素晴らしいものを見せていただいた。

全ての選手と、空手文化を育ててこられた方に、感謝したい。

 

 

この文章、興奮のままにあげるけれど、大丈夫かな。


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