フリュギアの井戸

実生活では口にできないあれこれを、ひっそり井戸の底に落とします。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

若紫の衝撃

「あの問題の」と言われるような本から、危険を感じたことはない。 谷崎やバタイユは、その独走っぷりを事前に仄聞いているので、実際に読んでも「おお、やってるね」と、受け止めることができる。 こちらが無防備でいるときにこそ、致命的打撃をくらうのだ…

世論と政治が分離する民主主義

東京オリンピック開催に関して。 現在、国民の8割が、開催に反対とも言われる。 news.livedoor.com が、国政は開催にむけて、邁進している。 これをみると民主制度は、その名とはうらはらに、民意を反映していない。 なぜだろうか。 制度自体は、民意を反映…

おすすめのお断り

在宅ワーク体制に伴い、社内でPCを共有する機会が増えた。 その共有PCでネットに接続すると、いつもとは違う世界に迷い込む。 車や時計など、私とは異なる社会的属性をターゲットにする広告が、並んでいるのだ。 いつものYahoo!トップではない感じだ。 その…

現代文

芥川龍之介の『羅生門』が好きだった。 (今でも、大好きだ。) 羅生門・鼻 (新潮文庫) 作者:芥川 龍之介 新潮社 Amazon 舞台は朱雀大路の大門、都の顔。 その門には死人が捨てられ、その死肉を喰らう鴉が、上空を舞う。 作品全体に、気味悪いアイテムが配さ…

三度目の緊急事態宣言下で

歴史を見ていて思うのは、つつましく暮らそうとする人を、そして社会を、容赦なく叩き壊すものがある、ということ。 戦争、飢饉、流行り病。 それから地震、台風、洪水。 圧倒的な力で人々から命を、生きがいを奪ってゆくもの。 多くの人生を狂わせ、時の為…

小説の醍醐味

誤読をされないように、本筋から逸れて議論がはじまらないように、丁寧に防御線を張っている学術系書物を読んでいると、「ご苦労様さまだなあ」と感心する。 言葉は数式などと違って、誤解の余地がありすぎる。 それでも、どこまでも言葉で肉薄するしかない…